難波再開発C街区

- 名称
- 難波再開発C街区
- 所在地
- 大阪市浪速区敷津東2丁目8-1
- 規模
- 4,000m²
- 竣工
- 2007年4月
- 主要用途
- 中庭広場
- デザイナー
- 長濵伸貴、石田真実
- 受賞
南海電鉄本社、大阪府立大学、店舗が入居するオフィス棟と年間75万人が訪れるライブホール‘ZEPP Namba’の新築計画における中庭を主とした4000m2のランドスケープデザインである。再開発エリアとしての緑の連続性の確保、都心における緑環境の改善、多目的な利用に対応できる広場の創出が課題であった。“雑木林の林床空間”に着目し、広場機能と共に、快適な林内環境を同時に実現する空間づくりを目指した。
風の流れ、日照条件、人の動きや視線から樹木配置と樹種構成を求め、床面をハードペイブとする雑木林の広場を形成している。風の流れについては、ランダムな常緑樹の配置により森全体として防風効果を実現した。木漏れ日をデジタル処理してフロアパターンを求めるなど、マイクロな環境シミュレーションを「転写」するデザイン手法によりグリーンプラザを創出している。
<設計プロセス>
■作品説明
南海電鉄本社、大阪府立大学、店舗が入居するオフィス棟と年間75万人が訪れるライブホール‘ZEPP Namba’の新築計画における中庭を主とした4000m2のランドスケープデザインである。再開発エリアとしての緑の連続性の確保、都心における緑環境の改善、多目的な利用に対応できる高い公開性をもった広場の創出が課題であった。また、ZEPP Nambaにおける公演時の来場者を誘導、待機させる機能も求められた。
なんばパークスから連続する「都心での緑豊かな空間」を創出するため、“雑木林の林床空間”に着目し、グリッドに並べた高木がつくる緑の屋根とペイブメントの広場とすることで、広場機能と共に、快適な林内環境を同時に実現する空間づくりを目指した。風の流れ、日照条件、人の動きや視線のシミュレーションにより樹木配置と樹種構成を求め、床面をハードペイブとする雑木林の広場を形成している。
高木植栽は、“関西の雑木林にある樹種”をコンセプトにして地域性に配慮した樹種計画とし、花木を含む常落混合林により季節の移ろい豊かな風景をデザインし、地域に開かれた夏場の緑陰や冬場の日溜まりとなる滞在空間としての機能を備えた。ペイブメントは、雑木林がつくるランダムな光環境や風環境を手がかりに、木漏れ日をデジタル処理してフロアパターンを解析し、光の密度に合わせて舗装色に濃淡をつける舗装パターンを構成した。中庭のアイストップとなる緑地帯では、“雑木林の林床”にある耐陰植栽を選択し、雑木林の林内環境を強調する風景を形成した。風の流れについては、ランダムな常緑樹の配置により森全体として防風効果を実現している。また、夜間には、ツリーサークルに組み込んだ照明により、樹林をライトアップすることで、幻想的な夜の緑を浮かび上がらせた。これらのマイクロな環境シミュレーションを「転写」するデザイン手法により、単なる景観としての眺める緑の空間だけでなく、緑の心地よさを体感できる“都市の雑木森”と呼べるようなグリーンプラザを創出している。


