「リノベーション・神戸」プロジェクトの一環である西神中央駅周辺のリノベーションにおける駅前広場「プレンティ広場」や歩行者専用通路「パークアベニュー」の改修プロジェクト。

1982年に街開きが行われた西神住宅団地の顔として作られたこれらのシンボル空間はイベントやストリートとして十分な役割を果たしてきたが、その都市機能を維持しながらもライフスタイルの変化に合わせた再編が求められていた。「駅前空間の日常的な使いこなし」や「週末などの賑わいの創出」などの場面転換を持つ、人が中心となる都市景観（ランドスケープ）への空間リノベーションを目指した。

「プレンティ広場」では、滞留を生み出す設えとして水盤や芝生広場、将来的に成長したつる植物が日陰を落とし、夏期における広場の温度上昇抑制に貢献する「グリーンルーフ」などを計画し、居心地の良い滞留空間としてのテラス型の広場へ転換した。広場の水盤は水深5mmとすることで、稼働時は子供たちの遊び場として機能しながら、イベント時には水を抜くことで広場全体をイベント空間として使用できるイベント（非日常）と滞留（日常）が共存出来るマルチスペースとしての広場を実現した。

「パークアベニュー」では、既存のイチョウ並木を引き継ぎながら、西区を象徴する農産品を扱った農家マルシェが開催できるアベニューを目指して、イベント時の出店者を支援するインフラ（屋外コンセントや給水）とセットで貸出可能な「アクティビティスペース」を計画した。