morineki

- 名称
- morineki
- 所在地
- 大阪府大東市北条
- 規模
- 敷地面積 約7,850m²
都市計画公園部分 約3,100m² - 竣工
- 2021年3月
- 主要用途
- 都市計画公園、住宅、店舗・オフィス
- デザイナー
- 忽那裕樹、山田匡、島葵
- 受賞
「morineki」は大東市が市営住宅の建て替えを民間主導の公民連携型(PPPの事業手法)で進めた国内初のプロジェクトである。都市公園を含む本事業地区では市の借り上げ住宅以外にもテナントとして民間企業のオフィスや店舗を誘致し、市営住宅住民のみならず多様な利用者、来訪者にとって活発な活動と賑わいの場を創出し、持続性ある街づくりを実現している。
大阪府大東市北条エリアは、市内の他の地域より高齢化率が高く、空き家が点在し、子育て世代を中心とした人口流出により地域の魅力低下や地域経済の低迷を引き起こしていた。そのような中で、地域に点在する公的資産を活用し、一体的・段階的にエリアの開発を進めていく「北条まちづくりプロジェクト」が発足し、グランドデザイン「北条の樹」が構築された。
その第一段階である「morinekiプロジェクト」では北条エリアを良好な住宅地として再生し、新たな定住人口を呼び込むため、老朽化した市営住宅の建て替えのみならず、都市公園や道路、河川といった風辺環境を含めて再生した。当プロジェクトのポイントは、住宅やオフィスの外構、道路や河川の土木空間、そして公園をランドスケープアーキテクトが統合し風景としてつなぎとめる役割を果たしたことである。
現況の桜、心地よく流れる権現川の水音というかけがえのない資産を生かして、さらに、四季折々に異なった表情を見せてくれる飯盛山を借景として取り込み、人々が楽しく使いこなす“環境の器”をデザインコンセプトとした。
また、緩やかな地形に包まれた都市計画公園「もりねき広場」は、芝生のマウンドや植栽により緩やかな領域性を確保し、知らないうちに住宅の中庭や「もりねきのみち」へとつながるように、様々な人々がつながるきっかけとなる「曖昧な境界」のデザインを行った。
広場や中庭を使いこなす人々自体が風景となり、公園のある豊かな暮らしを支えていく状況が徐々に芽生え始めている。